私の研究について 北アフリカにおける今後持続可能な「法制度整備支援」

私の研究について:


北アフリカにおける今後持続可能な「法制度整備支援」

~フランス法曹が貢献したチュニジア及びモロッコを素材に~

 

私は法学部生の頃から、長らく国際法やイスラーム法等に関心を持ち、

主にアラビア語圏に留学(スーダン・モロッコ・イエメン)、

イスラーム圏に仕事で駐在(マレーシア・サウジアラビア)した経験がございます。

筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業法学専攻で、北アフリカ・チュニジアの法の成文化を研究してきました。

私の修士論文の題名は「フランス保護領政策がチュニジア商事法に与えた影響と法の継受」です。


概要:

 北アフリカにおけるフランスの元植民地は、歴史上、フランス法曹の影響を受けてきた。一方、北アフリカ諸国は、イスラム教徒が多く、伝統的にイスラム法を生活のルールと考えている市民・国民が多い。チュニジア及びモロッコが、経済発展・市場経済へ移行するための法制度整備支援を模索する。


研究背景:

 日本の法制度整備支援(以下、法整備支援という)は、1994年のベトナムの支援から始まる。東南アジアから始まった支援は、ウズベキスタン等の中央アジア、更にはアフリカへと拡大されていき、そして現在もそれを素地に発展されし続けている。一方、私は、長年イスラム法を研究し、これまで仕事・留学で5カ国のイスラム諸国に滞在、関係してきた。そうした中で、近年は、フランス法の影響を受けた北アフリカ諸国に強い関心を抱いている。北アフリカのイスラム諸国は、民法・商法等をフランスに影響されながらも、家族法、金融法(イスラム金融)等は、イスラム色が根強く残っている。

 日本や諸外国の国際協力機関や国際機関等は、発展途上国や市場経済への移行を進めている国を対象に、法整備支援を行ってきた。そうした意味で、日本が先進国として、被支援国を支援する前提として、①100年以上に渡って主要な国の法制度(例えば、仏、独、米、英等)を研究し、それを自国の制度として採り入れてきた経験があることである。また、②日本が欧米先進諸国とは異なった法文化を持っていたことが、自国の経験として、イスラム社会等、非欧米文化に配慮した支援が可能ということになるわけである。

 日本の法整備支援に係る研究は、長年に渡り、三ヶ月章氏に始まり、香川孝三氏、鮎京正訓氏、金子由芳氏、松尾弘氏等らにより研究が進められてきた。

 私はこれまで、コンサルタントとして、日本企業のイスラム諸国進出支援事業を進める事業に取り組んできた。また、モロッコ王国及びチュニジア共和国に関して調査する場合において、現地駐在企業管理者等へのインタビューから、現地の法律、特に経済分野の法律等の未整備に関する不満の声を多く聞いてきた。

 私は、研究者として、北アフリカの法整備支援の必要性・今後可能性を探求したいと考えている。また、実務家として、北アフリカに進出している、また、これから進出する日系企業の法務面の助けになるような研究をして参りたいというのが私の考えである。

岩口昇龍アラブ・ビジネスコンサルタントのOwnd

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